タケル
「…どぅしたの?
誰かに何かされた?!他の子は?」





ヒナ
『………。』





心配して
追ってきてくれた健クンに
視線を合わす事が出来ず
目を反らして黙り込む。





タケル
「黙ってちゃ…解らないよ?」





ヒナ
『………平気…

それよりも…皆の所…
戻った方が良いよ…。』





健クンは
〈そんな事か〉と言わんばかりに
掴んでいた腕を離し
自分の頭の後ろで組むと





タケル
「あ〜ぁ…
向こうは女の娘2人で
男1人多いの♪

だから俺は抜けて来た♪」





ヒナ
『……そぅなんだ…。』





視線を反らしている
陽菜の顔を覗き込みながら





タケル
「そうだ!
2人で花火やらない?」





ヒナ
『………ぅ…ぅん…』





小さく返事をした
陽菜の声を聞き逃さず
「よし!」と言うと
陽菜の手を引き歩き出した。





―――――……





……―――――










薄暗い道の中で

店の明るさが
一段と眩しく感じるコンビニには
色んな種類の花火が並んでいる。



その中から
お互い好きな物を選び
カゴから
溢れそうなぐらいの花火を買って



歩いて来た薄暗い道を戻り
海岸へ向かった。





―――――……










―――…カサッ…





ヒナ
『…ちょっと買い過ぎたね…。』





砂浜に花火の入った袋を下ろし
ゴソゴソと物色しながら
健クンに振り向くと





タケル
「打ち上げから
いっきまぁ〜す♪」





周りには
カップルやナンパで知り合った
グループばっかりの

そんな中…



健クンは
大きい声で叫んだ―――…