― ガラガラ ―
コウキ
「先生〜
病人なんですけど…」
返事の返ってこない
静かな保健室に入りながら
コウキ
「先生も入学式に出てて
居ないみたいだね…。」
《痛み止めの薬だけでも
貰いたかったのにな…》
コウキ
「取り合えず…
ベッドに横になった方が
良いんじゃない?」
抱きかえてくれている肩越しから
覗き込むように
顔を覗かせる仕草に
思わずドキッとしながら
ヒナ
『………ぅ…うん…
………………ありがと…』
ベッドにそっと寝かせてくれると
丁寧に布団を掛けなおし
仰向けになった陽菜のおでこに
手を当てた。
コウキ
「熱は無いみたいだね♪」
ヒナ
『…ごめんね…。
せっかくの入学式なのに…
もぅ平気だから…
………行って良いよ…。』