クラスの生徒を見渡し
そんな事を考えていると





―――…ガラガラ…





古い校舎のドアが
鈍い音を立てて開くと
担任の若い女の先生が
教室に入って来た。





タンニン
「今日は初登校なので
頭髪,制服,荷物
チェックをします。」





化粧っ気の無い
少しガッチリした体格の
体育教師は
教壇に立つなり皆に言い放つ。





《何?!
そんな事するの?》







皆より一段高い教壇から
生徒を一通り見渡すと





―――…スタスタスタ





陽菜の机の前で
ピタリと足を止めた。





タンニン
「前田サンは
この髪の色とパーマ…」





陽菜の
髪の毛に触れた手が止まり





タンニン
「…?!…これ………ピアス?…」





今では当たり前だけど

この頃は
している娘の方が珍しく…
今みたいに
ピアッサーなんて物は無くて
耳たぶを氷で冷やし
安全ピンで開けたピアスが
方耳に3つ…


先生は
ビックリした表情で





タンニン
「……これも…駄目よ…。」





そぅ言って
座っていた陽菜を立たせると
上から下まで視線を動かし





タンニン
「制服も…シャツと靴下は
指定の物があります。
それとスカート丈…短いわね。
規定は膝下10㌢だから…」





今の娘程、短くはなかったけど
膝上ぐらいでも注意された。





―――…結局…



全部直せって事?





タンニン
「1週間以内で直して来ないと
停学になります。」










信じられなかった―――…





高校生って言ったら
バイトも出来るし
楽しいものだと思っていたのに
こんなんじゃただ
【校則】
に縛られてるだけ……



初日で
《辞めたい!》と思った。