ヒナ
『―――…ぅん…
…今日で…
………最後にするから…
…だから…今だけ……
――――…泣いても…良い?…』
頭を撫でてくれていた手で
そのまま
そっと抱き寄せられると
陽菜は
これ以上、出ないんじゃないか
と思うぐらいに涙が溢れ出し
純クンの胸に顔を埋めた。
―――――……
どのぐらいの時間
居たのだろう…
気付けば辺りも暗くなり
空には
満天の夜星が輝いている。
ヒナ
『…翼は…きっと………
あの星になったんだよね…。
ずっと陽菜の事…
見ててくれるよね?―――…』
純クンは
静かに頷いてくれた。
人を失う淋しさ…
大切な人を無くす辛さ…
まだ子供だった陽菜にとって
自分1人で背負えきれない程の
重さだったんだ―――…
それから陽菜は…
本気で人を
好きになれなくなった