出迎えてくれたのは
翼の親戚に当たる人で
陽菜達が居間へと案内して貰うと


静かに
陽菜を翼の仏壇の前に座らせ
自分も陽菜の隣に座り
目を閉じて手を合わせた純クン。





陽菜がゆっくりと頭を上げると
目の前には





笑顔で微笑んでる
翼の写真が飾ってあった…。















ヒナ
『――――…っ…ばさ……』





その場に蹲り
声を押し殺す陽菜に

純クンはただ…
肩を抱くしか出来ない。















「―――…ひ…陽菜チャン?…」





声を掛けて来たのは
親戚の人に
抱き抱えられるように立っている

少し翼に似た

―――…翼のお母サン。





ママ
「…来てくれてありがとう…

…翼も…きっと喜んでるわ……」





ヒナ
『……ゥ……クッ…』





翼のお母サンはゆっくりと
陽菜達の近くに腰を降ろし










ママ
「―――…良くね…
陽菜チャンの話してくれてたのよ…。

…本当…
陽菜チャンに逢うまでは
どぅしようもなくてね………」





陽菜がお母サンの顔を見上げると

赤く泣き腫らした目をしながら
何かを思い出しているように
優しい笑みを浮かべて

仏壇に飾られた
翼の写真を見ている。










《…辛いのは
陽菜だけじゃないんだ…


お母サンだって…
純クンだって…


皆…辛いんだ―――…》










―――――……










ママ
「……また…いつでも…

…翼に逢いに来て
あげてちょうだいね…。」





そぅ声を掛けて貰って
翼の家を後にした。