家まで
迎えに来てくれた純クンに連れられ
重い足取りで翼の家へと向かう。





電車に揺られながら
窓に寄りかかり
外に見える街の景色を眺め





何も変わらない街の風景…




周りから聞こえる





学生の他愛ない会話。

カップルの笑い声。

子供の泣き声。





普通の日常的な
当たり前の光景に
陽菜の胸が締め付けられる…










ジュン
「…陽菜チャン?…大丈夫?…」





血色の無い
真っ白な顔色…

寝不足な
目の下のクマ…

焦点の定まらない
虚ろな目…

ヨロヨロと
力の入らない身体…





そんな陽菜を
純クンは隣でしっかり肩を抱き
支えてくれていた。





周りとは
明らかに違う別世界の2人。





―――――……





……―――――










ジュン
「…陽菜チャン…着いたよ?…」





翼の家の前に着くと
確認するかのように
陽菜の肩をポンポンと叩き

コクリと小さく頷いた陽菜を見て





―――…ピンポーン…





インターフォンを押した。