純クンは
案内された席に腰を下ろすと
陽菜が
隣に座ったのを確認してから


テーブル上に出された
氷の入っているグラスに
手を伸ばし





―――…ガクガク…





小刻みに
ガクガクと音を立てるグラスを
両手で持ち





ジュン
「………ゴクッ…」





一口飲むとそのまま俯いて
ゆっくりと口を開いた。










ジュン
「―――…陽菜チャン?!…
落ち着いて聞いて………」





ヒナ
『………どうしたの?
…皆……おかしいよ?…


―――…翼も…

…………連絡くれないし…』















ジュン
「…翼…4日前…
陽菜チャン送った帰り道に

………………事故って…」





ヒナ
『…………ぅ…そ……』










ジュン
「………………んだ……」





ヒナ
『…ぇ?!…何…?!
…純クン…何…
―――…言ってるの?!…』















ジュン
「…翼が…



……死んだ―――――…」










――――バンッ!





ヒナ
『―――…そんな…
…翼が居なくなる訳……
…ないじゃん!!』





テーブルを両手で叩き
立ち上がりながら
大声で叫んだ陽菜を





テツ
「…陽菜チャン…落ち着いて…」





近くで見ていた哲サンが
そっと陽菜を座らせる。





ジュン
「…事故って言っても…
―――…引き逃げなんだ…。
…しかも…
…車が…わざと…
翼を狙ってぶつかって―――…」










ヒナ
『………嘘だ…
…そんな………翼が…』





ジュン
「…アイツさ……最近…
ヤクザの幹部と揉めてて…
…………色々あったんだ…。

“陽菜には言うな”

って口止めされたから………」