ナオ
「…陽菜が…
いつ来るか解らないから…
―――…毎日…ずっと…
時間が来るまでココで
陽菜の事……
…………待ってたんだよ…。」
涙でグシャグシャになった顔で
陽菜の瞳を真っ直ぐに見て
伝えてくれた奈緒に
ヒナ
『…ありがとう―――…』
少しの間
2人で余韻に浸ると
ナオ
「行こう♪」
陽菜の手を繋いでくれて
学校へと歩き出す。
―――――……
……―――――
教室に着く間に聞こえる
周りからのヒソヒソ話に
陽菜の足が重くなる…。
ナオ
「気にしない♪
陽菜には
奈緒達が付いてるんだから♪」
奈緒に小さく声を掛けられ
―――…ギュッ
繋いでた手を
一段と強く握り返してくれた。
―――…ガラガラ…
“…あ…来たよ…”
“良く来れるよね?”
“男と住んでたらしいよ”
教室の扉を開けると
振り向いた生徒達が陽菜を見て
ザワザワと騒めき始める…。
そんな視線を避けるように
唇を噛み締め俯いて席へ座ると
――――…ドンッ!!
勢いよく叩かれた机の音に
ビクッ!と体を跳ねらせ
ゆっくりと視線を少し上げると
机の前に男子の足が見えた…。