ツバサ
「何だよ急に……
陽菜がそんな事
気にしなくて良いんだよ。
―――…俺が…


勝手にしてる事だから…。」





夜空を見上げながら
優しい声で言う翼は










ツバサ
「―――…昨日…
純から聞いたんだって?」










―――…コクリ…










小さく頷く陽菜を
チラリと横目で視線を向け










ツバサ
「―――…アイツも…
余計な事言うよな…。」





小さくため息を着きながら
ポツリと呟くと





ツバサ
「―――…陽菜が…
〔patio〕に来るようになって
あの男が……
陽菜の事を狙ってたの


知ってたんだ―――…」








寝転んでいた体を起こし
月明かりに光る綺麗な海を見つめ
ゆっくりと話し始める。








ツバサ
「あの男は
ヤクザの幹部で…―――


新しい子は取り合えず目付けて
気に入れば犯すって奴で…」





《―――…だから…

あの男が話掛けて来た時…
陽菜を翼の後ろに
隠してくれたんだ―――…》







ツバサ
「――…イベントの日…

“来る”って噂聞いてて………」





《だからあの日…


“俺から離れるな”



って言ったんだ…》







ツバサ
「あの男に呼ばれて
断れないから
着いて行ったんだけど…………



“陽菜は
俺の女だから手
出さないで下さい!”




嘘付いて頭下げたんだ―――…





―――――…でも…





あの男は聞き入れなくて
他の奴らに俺を見張らせて

―――…最初からあの男の




計画だったんだよ――――…」