―――…次の日。
いつもより遅めに
〔patio〕へ行くと
陽菜が来る時間に合わせて
来ている翼は先に来ていた。
―――…ガタン…
カウンターの椅子を引いて
隣に座ると
陽菜に気付いた翼は
ツバサ
「今日は来るの遅かったなぁ♪」
いつものように
陽菜の肩を抱いて
ツバサ
「………心配したよ…。」
陽菜の耳元で
小さく呟いた。
―――――……
ヒナ
『…ねぇ…翼…
【海】行きたい…。
連れてって―――…』
ツバサ
「ん?…どうした急に?」
ヒナ
『良いからぁ〜♪
行きたいの!』
翼の手を引き
〔patio〕の前に止めてある
翼のバイクに跨る。
〔patio〕⇔〔家〕
いつも帰りに送ってくれて
この距離までしか
今までは乗った事が無かったけど
いつも走り出す前は
必ず声を掛けてくれる…。
“しっかり
掴まってろよ!”