ツバサ
「どぅにもならなく無い!

俺が来ただろっ?!



陽菜がもっと抵抗して

時間を稼いでいれば―――…


間に合ったかもしれない…。


―――――……イヤ…





間に合わなくて―――……


守ってやれなくて――…










―――――…ごめん……」










翼は
自分の胸に陽菜を抱き寄せた。















ヒナ
『―――……何で
…………翼が…謝るのよ…』










―――…ギュッ!





翼の身体は悔しさからか
小刻みに震えていながらも
それを掻き消すかのように
陽菜を力強く抱き締める。




―――――……





……―――――





ツバサ
「………送るから…」





無理矢理脱がされた
陽菜の胸元からは
下着がチラリと覗く程の無残な姿に

翼は自分の羽織っていたシャツを
陽菜に羽織らせた。











家まで送ってくれる途中
2人は一言も話す事なく





翼はただ…





陽菜の手を強く握り絞めている。










―――…そして





家の前まで着くと
一枚の紙切れを渡してきた。










ツバサ
「何かあったら…

………いつでも…
…………連絡して来い…。」





陽菜の頭を撫でながら
優しく言う翼…。





その辺にある紙を
無造作に破ったような紙に
乱暴に走り書きで書いてある





………………ポケ番。










―――…翼の優しさ





この時の陽菜には
まだ解っていなかったんだ。










さっき起こった…





2度目の〔レイプ〕で…



陽菜の何もかもが



壊れて崩れていった―――…