―――――……
……―――――
事が済むと辺りが静かになり
車外に出た男は
両腕を男達に捕まれながら
膝から崩れ落ち
コンクリートの床に
頭が付くぐらい
うなだれている翼に向かって
♂
「翼ぁ〜悪かったなぁ♪
でも陽菜チャンは
途中から抵抗しなくなったし
初めてじゃ
なかったみたいだぜ♪」
―――…バサッ!
男のその言葉に
勢い良く立ち上がり
男2人の腕を払いのけ
静かに
男に向かって歩み寄った翼は
―――…ボコッ!!
地下駐車場に鈍い音が響くと
♂
「ぉ…お前…覚えてろよ!」
翼に殴られた男は
切れた口の血を拭いながら
姿を消して行った。
―――…バタンッ!
開いていた車のドアから
車内に乗り込み
隣に座った翼を見ずに
陽菜は乱れた服を直す。
……―――――
ツバサ
「――――……何で…
もっと抵抗しなかった…
―――…何で…
もっと叫ばなかった…
そぅすれば―――……」
ヒナ
「…抵抗したって
叫けんだって…
どぅにも
ならないじゃん!!」
翼の言葉を全部聞く前に
陽菜は冷たく叫んだ。