―――…入学式当日。
結局ミーハーな奈緒には適わず
正門の入口で新入生の胸に
花を付けてあげる係になった
奈緒と2人
長テーブルの前に立つ陽菜。
真新しい制服に袖を通したた
まだ幼なさの残る子達が
親に連れられて
続々と目の前を行き来している。
“新入生の皆サン
こちらで名前の記入をして
クラス表を受け取って下さい。”
“こちらに
名前ご記入お願いします。”
ヒナ
『まったく……何で休みの日に
わざわざ入学式の手伝いなんか
しなくちゃならないのよ…。』
朝からブツブツと文句を言ってる
陽菜を横目に
ナオ
「だから…“ごめんね”って
言ってるじゃん♪
今度は陽菜の協力もするからさ☆
あっ居た!……あの子だよ♪」
奈緒が指差した先には
遠くから見ても解るぐらい
数人の女の子達に囲まれてる
1人の男の子が居た。
“光輝クン何組だった?”
“あたしクラス違ぁ〜う…”
ヒナ
『女の子に囲まれちゃって…
いかにも〈モテます〉って感じで
嫌味っぽい子―――…』
これが
――――…第一印象。