“娘サンは…
妊娠2ヶ月になりますね…”
“本当ですか?!
今すぐ堕ろします!”
診察が終わり
陽菜が下着を着けていると
隣の部屋から聞こえる
先生とお母サンの会話。
《陽菜のお腹の中には
赤チャンが居る…
生まれてくる事の出来ない
命があるんだ…》
カンゴフ
「中絶手術をしますので
こちらの部屋にどうぞ。」
看護婦サンに付き添われ
小さい個室に案内されると
固いベッドに寝かされる。
《…堕ろす?…
…中絶?……
陽菜は…
…………人殺し……》
カンゴフ
「麻酔をするので
一緒に数えて下さいね。
1…2…3……4……」
遠退いてゆく意識の中
お腹を擦りながら赤チャンに
“…ごめんね…”
と何度も言い続ける事しか
出来なかった。