学校では
陽菜が廊下を歩いているだけで








“ねぇねぇ♪
言えばヤラせてくれるんでしょ?
今度ヤラせてよ♪”



“一度相手させてよ♪”






近寄って来ては皆の前で
そんな言葉を
掛けてくる奴まで居て…





それから
学校は《辛い場所》になった。










―――…あの時は





《忘れない為》





と思っていたのに



光輝が居ないとただ

《辛い気持ち》

しか残らないよ…。










行ってしまう人も
辛いかもしれないけど



残された方は
〔思い出〕に縛られる。





もぅ
この時の陽菜は限界だった。










光輝が居た頃には
あんなに毎日が楽しくて
大好きだった学校が…










光輝の
〔思い出〕と


ありもしない
〔噂〕に



押し潰されそうで





学校は陽菜にとって
苦痛に変わった…。










だから…



陽菜は…その



〔思い出〕と〔噂〕





から逃げたんだ―――…