「大丈夫だよ。痛くないから」

「麻薬は法律で禁止されてるぞ」

医者なのにそんなことも知らないのか

俺は取り上げた注射を強く握りしめる

「少しの間気を失うだけだから平気だよ」

「ちょっと待て。どんな薬なんだこれは。麻薬じゃねぇな」

麻薬って…気分がよくなってどんどんドン底にはまっていくってやつだよな。意識とぶっていったい…

「俺特製の薬だよ」

「千景、俺は平気だから帰ろう」

こいつといると絶対無事じゃすまない気がする。さっさと帰って治療しよう

「大丈夫。これでも腕はいいから」

「その前に使う薬がやばいんだよ!!」

普通、自分特製の薬なんて使わないぞ!?

「まぁ、冗談はここまで。足見せろ」

「冗談でも怖いからやめてくれ」

俺はブツブツ言いながらその辺の椅子に座り、制服のズボンを傷が見えるまでめくり上げた

「結構深な…縫うか」

「…」

血は洪水のようにとめどなく流れる

真っ赤に染まった足。結構グロテスクだよな。