タッタッタッタ…
あたしは駆け足でトイレに向かった。
「…でね~逢沢くんがさぁ…」
トイレから声がした。
この声…
美紀ちゃんだ!
あたしは、反射的にトイレの前に隠れた。
「逢沢くんにさ、あたしと付き合ってくれないなら、憐ちゃんいじめるって言ったら、一瞬で付き合うって言ってくれたんだぁ。」
「あはは!
それマジでー?」
「マジマジ~」
…え?
何それ…。
あたしを守るために、逢沢は美紀ちゃんと付き合ったってこと…?
そんなの、聞いてないよ!
「…っ」
あたしはその場から離れて、走った。
…教室に行かなきゃ。
逢沢のとこまで行かなきゃ。