俺は、とりあえず寝ている憐を、憐の家まで送った。




「ごめんね~
迷惑かけちゃってぇ。」


憐の家から、憐のお母さんらしき人が出て来た。


優しそうなお母さんだな…。

母さんとは、大違いだ。


てか大きくて丸い目が憐と似てる。



「えーと、あなたは…彼氏さん?」


「ゔ…。
ち、違います。」


残念ながら。


「じゃぁ、未来の彼氏ね♡」


はぃ?


「そうなったら、いいんですけど…」


「大丈夫。
憐もきっとあなたのことが好きだから。」


そーは見えねえけどなぁ…。


その時、俺はさっきの憐の寝言を思い出した。


…や、変に期待しない方がいいよな。


「今日も、浴衣着せてって言ってきたの。
普段そんなオシャレな子じゃないのに。
この前も、チェックのワンピース着てどっか行くし。」


…俺のために?


「…そ、そろそろ帰ります。
俺…」


「はーい。
ありがとね、憐をここまで運んできてくれて。」