「分かったか?俺は体だ!け!は!女なんだ!!外国いたんだろ?海外の方がそういうのの認知度高いって聞いたことあるぞ。」
俺は蜷川に肌をさらしたままフンと鼻を鳴らしていたが、蜷川は俺の話なんか聞く耳持たないでブレザーを脱ぎ俺に着せると初めて怒ったみたいに声を荒げた。
「お前なぁ!男の前で簡単に裸になんかなるな!!」
あまりの豹変ぷりに俺はそれを呆然としながら聞き、我に帰ると言い返すようにこう言った。
「だっ!!お前なんか急にブラジャーしてんのとかいうから!!!」
蜷川は顔を赤くさせて懸命になって言い訳をした。
「それは!!お前がただの……オカマだと思ったから……」
「オ、オカマァァ!?おま、俺のことオカマだと思ってたのか!?ていうか、お前そんなオカマを彼女にするつもりだったのか!?てかそれって……」
俺が白い目で蜷川をみると蜷川は慌てて否定するようにこう言った。
「こらこら、俺はホモじゃない!女除けにちょうどいいと思ったからだよ!……男だと思ったから……からかうつもりでいったんだ。あんなこと。だから……ごめんな、お前が女だ…」
「だからぁあ!!俺は女じゃない!!」
「女だよ」
蜷川は俺をまっすぐ見据えていった。
俺はそのあまりの剣幕に少し身を引いて呟くように言い返した。
「……女なんかじゃない」
「女だよ。体が女の子なんだから俺以外の奴には気をつけろよ!」
「はぁあ!!!お前が一番危険なんだっての!第一お前、俺に……チュ、チュウなんかしやがって!!」
「バカ、それはお前が……」
蜷川は言おうとしてチッとした舌打ちしてこう言った。
「なんでもない」
「ちょっと待てよ!!俺はまだ納得なんかしてないからな!!この変態!!バーカ!!」
俺が調子に乗って言ってると蜷川がまたすごい剣幕で俺を見下げてこうおっしゃられた。
「バラすぞ」
「……すいませんでした。蜷川様」
ああ、俺はこれからこいつの脅威に怯え続けなければならないのか?