彼女達は暗い表情で、わたしの机を見つめます。

「…ねぇ。やっぱり先生に言ってこの机、片付けてもらおうか?」

「っ!?」

今朝、兄さんがお母さんに言った場面を思い出しました。

彼女達はわたしの机を片付ける…それはもう、わたしがこのクラスには必要ないと言われていることです。

「でも…やっぱり可哀そうだよ」

「うん。まだあった方が良いと思うな」

けれど数人の友達は困惑気味に答えます。

「けどさ、何か美羽の声が聞こえてくるようで、怖いんだよね」

怖い? わたしの声が?

意味が分からず、首を横に振ります。

「怖い、かな? あたしだったら、嬉しいけど」

「だよね。答えてあげられなくても、声が聞こえたら嬉しいよね」

わたしの存在は今、彼女達の間では複雑になっているようでした。