「あはは、その顔面白いっすね」

驚きのあまり顔が引き攣っていたのは認めるが…

な、何で私…笑われなきゃならないんだ…


「あれ、もしかして知り合い?!
なら良かっ…」

「「しっ知り合いじゃありませんっ!」」

自分でも分からないくらい大きな声で否定していた。
否定しなければいけないと、本能的に声をだしていたのだろう…

「知り合いじゃないのか…
そこの少年!!名前は?」

さっきまでクスクスと笑っていたのに、
爽やかな笑顔でこう言った。

「堂本陸です。」

……名前までかっこいいのか、コイツ……

「陸君か、サックスうまいね?
小学校の頃やってたの?」

「はい、まぁ……。
親が音楽マニアなもんで…」
苦笑いしながらはにかむ。
どんな顔しても絵になるな…
「へぇ〜…じゃあ何か曲、吹ける?!」

響子先輩は目をキラキラさせながら言う。

堂本はまた私を見てくすっと笑い
「…じゃあ…SingSingSingでも…」
と言いサックスかまえる。
そしてー…



堂本は完璧といっていいほどの演奏をした。
かっこいいSingSingSingの曲と堂本。

楽器を奏でる男子って、かっこいい…な…。

「「凄いー!!」」
先輩全員拍手をしながら叫んでいた。

堂本は先輩に一礼してから
私を見て言った。

「俺の演奏どうでした?」
にかっと笑って聞いてくる。