「お前も、一応?女、だし。夜に……1人で待たせるわけには、いかねぇじゃん?」
どうやら、あたしを心配して走ってまで戻ってきてくれたらしい。
「だから一応じゃないし、れっきとした女だし」
「ほんとかよ。澪ならパンチ1発で男の1人や2人倒せそうだけど」
「ちょ!それ失礼すぎでしょ。こう見えて意外とか弱いからね?」
やっと呼吸が落ち着いてきた大翔は、疑った表情で『ふーん』と言ってきた。
そんな大翔にムカついたから、足首を軽く蹴った。
そしたら『いって!ほら出たよ暴力ー』と、さらにあたしを非難の目で見てきた。
――…言い合いをしてて、ふと思った。
なんだ。
元通りじゃん。
気まずい空気はもうどこにもなくて、あたしは普通に話せてることに嬉しくなった。
気まずいときのモヤモヤが取れてスッキリした。
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