そして、あの最期の日。



朝早く目を覚ました僕は、突然の発作で、最後に君の顔を見ることも無く死んでしまった。
葬儀の中、彼女は涙でボロボロになりながら僕に百合の花を添え、こう言った。





『 ごめんなさい…っ 』





一人で最期を迎えさせてしまってごめんなさい、と。


君が謝ることじゃないよ
そう言って頭を撫でてやりたかったけれど、もうこの世の者ではない僕の手は、
彼女の頭をすり抜け、触れることすら叶わない。


せめて姿だけでも見せてやりたい、と思ったが、
彼女が死んだ自分を見たらどう思うだろう? 怖がってしまうだろうか?
と、思ってしまって仕方がなく。


もどかしく思いながら2年が過ぎた。