『愛紗っ?お前、大丈夫かぁ?』



4時間目の社会。


中盤。



その呼ぶ声が、あたしを元の世界に引き戻す。


話しかけてきたのは、想河。


「え!?」


びっくりして顔を右に向けると、心配そうな想河の顔があった。



あたしがびっくりしたのは、突然だったからじゃない。



もちろんそれもあるけれど、授業中はいつも集中して私語なんかしない想河が授業中、しかも先生が怖い社会の時間に話しかけてきた事だった。





『お前このごろいっつも元気ねぇじゃん」