【帆波version】


「きゃはははははっ、稜めっちゃウケるんだけどー♪」

私の大嫌いな女の声がする。
ー…安野瑠花。

体育大会のときだって、瑠花からの一方的な行動がなければ稜だってあんな行動しなかった。

稜と瑠花は席が近く、よく話す。
最近は、稜から瑠花に話しかけることも多くなってきた。

あれだけ言ったのに直ってない。
わかってないよ…。

「安野ー!!これどうやんの?」
「あ〜、ホント稜ってばバカなんだから〜♪」


気持ち悪い…稜に近づかないで。
視界に入らないで…。

「帆波、どした?」
私に声をかけてきたのは、類。

「私、瑠花…大嫌い…」

「私も(笑)。瑠花好きな人なんていんのかね〜」

いたらすごいよ…。
類も嫌いなんだね。良かった。

「瑠花さ、私と稜の邪魔してると思わない?」