昼時間終了後、競技の練習をするためにB組はあつまった。

「ちょっと、帆波…」

「え?」
私を呼んだのは類。
「なに?」

「あいつ、かなり心配してたよ」
類の視線の先には稜がいた。

「さっき私に、「あいつどうしたの?」とか、「俺何かした?」とか聞きにきたの。私がヤキモチ妬いちゃったみたいって言ったら、「安野でしょ?」だって。ちゃんと気づいてるよ。自分がやったことも、帆波が考えてることも」


「……!!!」
気づいてる? ならどうして?
どうしてやめなかった?

私が泣いてるのも、悩んでるのも怒ってるのもわかってるのに、どうしてイチャついてたの?


「とにかく、心配してたからちゃんと話してあげて?」

…何を話せばいいの?
話すことなんてない。




練習終了後、応援席に戻る。
もちろん、まだ稜と瑠花は仲良さそうに話していた。