空気が重たい原因は互いにあった。互いが刺激(挑発)し合っている。


「その説明で理解出来ない人なんかいないと思うんだけど?」
「いや、もしかしたら居るかも知れないじゃないですか。目の前に」
「あー、ぬいぐるみは生きてないもんねえ?」


確信的な台詞を聞いてから、空気は悪化して、重たい空気からギスギスしたものに変化した。

嫌みを飛ばす彼に私は避けて返す。笑い合っているのに楽しそうではない。むしろ地獄だ。




「あ、そうそう。後さ、結子先輩って呼ぶのやめてもらえるかな?」
「……分かりました。今度から親しみを込めて"ゆい"って呼びますね」
「……そうそ………はぁっ!?」


こいつは何だ!宇宙人か何かか!?
さっきから全部逆手にとられて私は空回りしている気がする。
珠樹でも結子なのに、早坂彼方にゆいだなんて呼ばれたくない。ていうか今後一切関わりを持ちたくない。