図書室を出て、三人で帰った。
「今日はほんとにありがとな」
慶斗は言った。
「気にすんなって」
俺は言った。
「そうだよ」
夢果も言った。
「おまえらが友達で良かった」





慶斗と別れ、夢果と歩いていた。
「慶斗にあんな過去があったなんて正直驚いた」
夢果は言った。
「俺も。でも、慶斗は何も悪くないよ。ただ、人を好きになっただけなんだから」




そう、慶斗はただ人を愛しただけ。





「人を好きになるのに、理由なんてないもんね」



夢果は言った。




「えっ?」




「だって、人を助けるにも理由なんてないでしょ?それと同じ。人を好きになるのにも理由なんてないの。恋って突然だから」






恋は突然来るもの。




それは、自分が一番分かっている。





俺の恋も、突然だったから。