夢果は、ちゃんと傘を返してくれた。
「ありがとね」
「うん」
こんな会話でも、夢果と話せたことがすごく嬉しかった。俺たちはいつもと変わらなかった。




でも、慶斗と沙姫はいつもと違って見えた。





昨日、何があったんだろう。





夢果も同じことを思っていた。






放課後、俺と夢果は慶斗に聞いてみることにした。





慶斗が、抱え込んでいたものは、とてもとても大きいものだった。





俺たちには、分かるはずもない。





慶斗にしか分からない…