「私、帰るね」
夢果は立ち上がった。
「傘、俺ので良かったら使って」
「ありがとう。借りていくね」





さっきよりは、雨は強くなかった。
「送ろっか?」
俺は聞いた。
「大丈夫。傘、明日返すね」
夢果は言った。
「うん。気をつけて帰れよ」
「うん。バイバイ」
夢果は手を振りながら雨の中、帰っていった。
玄関のドアを閉め、溜息をついた。





夢果といたら、心臓がもたない。





俺、夢果のこと。




好きすぎてる?





近いうち、俺の気持ちバレそうだ。