「あっ、雨だ」
突然、雨が降り出した。
「ほんとだ」
俺たちは走った。
「どっか雨宿りできる所ねぇのかよ」
「永遠、待ってよ。早いよ」
夢果は少し遅れていた。
「夢果、大丈夫か」
「うん」
「仕方ねぇな。走るぞ」
俺は夢果の手を握った。





そして、俺の家に来た。
「入って」
「おじゃまします」
夢果を家に入れた。家には誰もいなかった。




いなくて良かったと思った。





騒がれたら困るしな。





「タオル持ってくるから。待ってて」
俺はタオルを取りに行った。





そこでようやく気付いた。





夢果を家に連れてきてしまった。




今になって、心臓がバクバクしている。





俺、何やってんだろう。





どうしよう…





「永遠、まだぁ」
夢果が呼んでいる。




とにかく、冷静に行こう。





俺は夢果が待つ、リビングに向かった。