覚えているのは麗亜の手の温もりと…

腹の底に重く沈む何かだけ。


「光太。」

「ん??」


なんだか気が重い。


「麗亜、パパとママに会いたい…。」

「!」


分かってた。
こうなることくらい…。

麗亜は人一倍両親という存在を求めていたから。


「行ってこいよ。」


自分でも驚くくらい低い声が出た。


「光…太??」