決勝戦…
決勝の相手は白い杖を持った盲目の老紳士だった!
その達観した雰囲気は、普通では見る事のできない物までもが、見えているような感じがしていた。
老人はジャンケンガールが進める椅子に座ると、それはまるで陽だまりの中で、ひなたぼっこでもしているかのように、落ち着いた面持ちになっていた。
全く隙がなかった!一見まるで隙だらけのようにも見えるのだが、どこから勝負を繰り出しても、敵わない相手に思えた。
その無表情な顔からは自信と風格が溢れ、今までの相手とは全く違う、異質な光を全身から放っていた。
和紀はその老人の出すオーラに怯みそうになりながらも、目を閉じて気を静め、その時が来るのを待った。
決勝戦は、特別ルールとして、3回先勝した方が優勝する事になっていた!
そして舞台はすべて整った!
後は大取りの主役を待つだけとなっていた!
和紀はおもむろに立ち上がり、『よしっ』と気合いを入れ、決勝の舞台へと駆け上がった!
最後の戦い
…つづく