「はい。そこからですね…」

そう俺が言うと
杏はあの子の事を話し始めた。

「名前は如月夢。
学年はあたしのタメの櫂の1つ後輩。
んで、
夢はとにかく鈍くて鈍感。
自分が可愛い事に気付いてない。
まあ、夢の事はこれぐらいかな?」

マジで…。

「アレだけ可愛くて無地覚?」

「そう。あれだけ可愛くて無地覚。」

「だからアレだ。
夢ちゃんは
歩く凶器マシーン。って言われてるんだよ。」

歩く凶器マシーン。って。

「何かスゴいな。」

「それを言うなら櫂もよ。
ね?凪?」

「そうだな。
お前は
歩くフェロモン男。って
言われてるんだぞ?」

歩くフェロモン男。って

「ネーミングセンスなっ。
古臭い。」

って

「俺の話しはいいんだよっ!!」

そうだっ!!

俺の話しは
いいんだよっ!!

あの子…じゃなくて…
夢ちゃんの話しだよっ!!