「行ってきまーす!」

海里は、パンを口にくわえながら駆け出した。

「あぁ~もぅ!遅れちゃうよ!初日から遅刻なんてヤバいよ~!~っとと!こっちの方が近道だったような…」


前日に、学校までの道なりを歩いた時に、見つけた近道を目指した。


「次の角を、左に行けば~!って…えー!」


曲がった瞬間に、前から男子生徒が飛び込んできた。


「えー!車は急に止まれないって~!」
ドン!!

『…きなさい。里…』

『ママの声?』


『起きなさい!海里!遅刻よ!』


『え…?さっき男の子とぶつかって…』

海里は、眠そうな目をこすりながら時計を見た。


時刻7:15