美知子の気分は晴々としていた。あのネイル屋へ行った翌日から、彼女は社内のアイドル的存在となっていた。声を掛けてくる男性は増し、『綺麗だね』と言ってくれる。ネイルを見て、ではない。彼女の目を見て、だ。
青年が施してくれたネイルは、美知子の好きな色であるピンクが使われていた。十字架のモチーフが描かれ、嫌味のない程度にラメとストーンが散りばめられている。
彼女の好みぴったりのネイルだ。
仄かに香るのは、ネイル屋で漂っていた匂い。微かに甘くて嫌味の無い、心を落ち着かせてくれる香り。
今までのネイルサロンとは明らかに違った。何故あのような素晴らしい店が、閑散としているのだろうと疑問に思う。
「美知子、最近綺麗になったわね。何かあった?」
ぽんと美知子の肩に手を置いて話し掛けて来たのは、彼女にネイルサロンを紹介してくれた横山里沙だった。彼女はいつも華やかで、同じ制服であるにも関わらず、その存在感は別格だ。
青年が施してくれたネイルは、美知子の好きな色であるピンクが使われていた。十字架のモチーフが描かれ、嫌味のない程度にラメとストーンが散りばめられている。
彼女の好みぴったりのネイルだ。
仄かに香るのは、ネイル屋で漂っていた匂い。微かに甘くて嫌味の無い、心を落ち着かせてくれる香り。
今までのネイルサロンとは明らかに違った。何故あのような素晴らしい店が、閑散としているのだろうと疑問に思う。
「美知子、最近綺麗になったわね。何かあった?」
ぽんと美知子の肩に手を置いて話し掛けて来たのは、彼女にネイルサロンを紹介してくれた横山里沙だった。彼女はいつも華やかで、同じ制服であるにも関わらず、その存在感は別格だ。