月曜日、課長にどんな顔をして会おうかと、散々悩んだ。悩んだ末に出した結論は、笑顔。そう、にっこりと笑ってやったのだ。

 課長は驚いたようだった。汗を何度も拭い、美知子が淹れてやったお茶を震える手で飲んでいた。

 恐らく課長は、狼狽する美知子を想像していたに違いない。もしくは、何か理由をつけて休むとでも思っていたに違いない。

 確かに、今までの彼女だったらそうしたかも知れない。どうする事も出来ずに、ただただ震えて引きこもっていたかも知れない。

 しかし、今の美知子は違った。

 さて、どうしてくれよう。警察へ被害を訴えたとしても、証拠がなく、取り合って貰えない事は目に見えている。