「識井くんにも色目使ってるのよね、あの子」
「識井さんにまで?!」
里沙の驚愕と怒濤が入り交じった声がトイレの中に響いた。
美知子の額から、脂汗のような、気分の悪い汗が流れた。相変わらず胸はドクンドクンと鼓動を繰り返している。その音がトイレの中に反響しそうで、彼女は思わず自分の胸をぎゅっと掴んだ。
「信じらんない……」
「そう言えば里沙、識井くんの事狙ってたっけ?」
あははと笑う津嶋ゆかりの無神経な声が、無情に美知子の頭の中に流れ込んでくる。
「あげちゃえばぁ、識井くん」
ガンッ
ケラケラと笑うゆかりの声がぴたりと止まった。里沙が何かを叩いたらしい。その振動がビリビリと美知子の居る個室まで伝わって来た。気のせいかも知れなかったが、しかし里沙の怒りは確実に彼女の胸を貫いた。
今出て行っては駄目だ。
「識井さんにまで?!」
里沙の驚愕と怒濤が入り交じった声がトイレの中に響いた。
美知子の額から、脂汗のような、気分の悪い汗が流れた。相変わらず胸はドクンドクンと鼓動を繰り返している。その音がトイレの中に反響しそうで、彼女は思わず自分の胸をぎゅっと掴んだ。
「信じらんない……」
「そう言えば里沙、識井くんの事狙ってたっけ?」
あははと笑う津嶋ゆかりの無神経な声が、無情に美知子の頭の中に流れ込んでくる。
「あげちゃえばぁ、識井くん」
ガンッ
ケラケラと笑うゆかりの声がぴたりと止まった。里沙が何かを叩いたらしい。その振動がビリビリと美知子の居る個室まで伝わって来た。気のせいかも知れなかったが、しかし里沙の怒りは確実に彼女の胸を貫いた。
今出て行っては駄目だ。