けれど、成長するにつれて、その夢は薄れていった。代わりに沸いてきたのは綺麗になりたいという願望。しかし、それも叶わなかった。所詮、生まれ持った才能や容姿には敵わないのだ。
彼女は、それを悟ったのだ。悟った筈だったのだ。
「はい、終わりましたよ」
青年が静かに言った。微笑みながら。
両手の指先には可憐な蝶々が舞っていた。横山里沙にも負けないくらい、綺麗で可愛らしい蝶々。
美知子は笑った。にっこりと。最高に素敵な笑みで。
甘い香りが鼻孔を擽り、脳天まで浸透する。それが少しこそばゆく、彼女はまた笑った。
彼女は、それを悟ったのだ。悟った筈だったのだ。
「はい、終わりましたよ」
青年が静かに言った。微笑みながら。
両手の指先には可憐な蝶々が舞っていた。横山里沙にも負けないくらい、綺麗で可愛らしい蝶々。
美知子は笑った。にっこりと。最高に素敵な笑みで。
甘い香りが鼻孔を擽り、脳天まで浸透する。それが少しこそばゆく、彼女はまた笑った。