私にとっていつの間にか十和(とうわ)は、大切な存在になっていた。

毎日の休み時間は、十和と会話をしていた。

もともとは、私と同じクラスの流夜(りゅうや)に用があり、話にきていたのだが、流夜にはクラスの友達が多く、いつも校庭にいて、教室にはいなかった。

そのため、暇なとき同じ部活動の私と話すようになったのだ。

それから、だんだんそれが日課になっていき、毎日の恒例となっていた。

そして、悩み事を相談する人もいつの間にか十和になっていた。

十和は、いつも私が暗い顔をしていると、それを吹き飛ばすような笑顔で私に話し掛けて来てくれた。

悩み事を相談したときも黙って自分のことのように聞いていてくれた。

わたしには、彼がとても大切な存在になっていた。

それは、精神面でも同じだった。