「どうして『ドリンクバー』にはビールが無いんだろう……」


グラスで運ばれて来たビールを飲みながら、ひろきがもの足りなさそうに呟いた。


「ひろきみたいなのが全部飲んじまうからだろ……」



『底なしビール好き』のひろきにかかれば、あながち有り得ない事ではない。



「ねぇティダ、そのお肉一切れ頂戴♪」


子豚は皆の食事から一品ずつもらい、ようやく満足する食事量に達したようだ。



「う~ん…依頼が来ないと困るよなぁ……」


そう言って渋い顔で食後のタバコに火を点けるシチローに、突然てぃーだが声をかけ目配せをする。


「シチロー……」


てぃーだの目の先を追うと、シチローの背後には先程から1人の男がぼんやりと立っていた。