呆然とする金田の前で演技は続けられた。


羽毛は肩をブルブルと震わせ、拳を硬く握った。そうして、暫く悔しそうに俯いていたが、ゆっくり顔を上げると誰に向かって言うともなくこう言い放った。



「仕方がねぇ……所詮俺達はヤクザな稼業だよ。
しかし、このままじゃああまりに若が可哀想ってもんだ!
…詩織お嬢さんと結婚しようなんて『命知らず』の野郎が、全身に銃弾浴びて東京湾に沈む事がなけりゃいいがな!」


「ヒッ…ヒェェ……」



羽毛田の台詞を聞いて顔面蒼白になった金田が、ムンクの『叫び』のような格好で固まったまま動かなくなった。


「ほら♪やっぱり占いは当たったでしょ♪」


入口のそばに立っていた子豚が、ニヤリと口角を上げた。






その様子をモニターで見ていたシチローは、満足そうに頷いていた。


「ここまでは、ほぼ計画通りだ♪
さぁ~て♪いよいよ最後の仕上げにかかるか~♪」