最初に沈黙を破ったのは、詩織の方だった。


「白いジャージ、ありがとうございます♪」

「いえ…いつも貸出中で申し訳ありません。上司には、もっと数を増やすように頼んでいるんですが……」

「上司って、いつも裏で古書の整理をしている方ですね。
どんな方なんですか?…耕太さんと仲が良いの?」


耕太は、頭を掻きながら答えた。


「いやあ~♪あの人は……」





『愛しています!』





対話くんが始動した。


「え?・・・愛してるって…男の人ですよ…それって……」

「いや…あの……」





『世の中がどう思おうと関係ありません!』





詩織は驚いた顔を見せたが、それは耕太に失礼だと思い冷静を装って話を続けた。


「へ…へぇ……どんな所が気に入っているんですか?」

「いや…だからですね……」





『とってもセクシーで最高ですよ♪』





「なんだか、おかしな状況になってきたぞ……」


シチローが額の汗を拭った。