「なんだよ~!ちょっと位返すのが遅くなったからって!」


そう抗議する大木に、子豚がが啖呵を切る!


「おどれぇ!3日も遅れるたぁ~どないな訳じゃい!
たった今貸した本返さんかったら~~~命がナンボあっても足らんどぉぉっ!
おおっ!?」


「ヒッ!ヒェェ!」


TVでやっていたドキュメンタリー『闇金の恐怖』を参考にした子豚のドスの効いた言い回しに、大木はすっかりビビッてしまった。


「小説はどこよ!」


ビール瓶を振り上げるひろきにも怯えながら、大木は部屋の中の机の上を指差した。


「あ…あそこです……」



ドカドカドカ!



「ああっ!ちゃんと靴脱いで下さいよ!」


「あったわ♪」


てぃーだが小説を手に取って確認した。


「よし♪引き上げるぞ!」


そして、すっかり静かになったアパートの通路には放心状態でへたり込む大木伸夫の姿だけが残った。



普通に返してもらえないのか……