「彼女から手を離せ!」



(ナイスタイミングだ!耕太君♪)


背後から浴びせられたその声を聞いて、シチローは更に演技を続けた。


「なにぃぃ!
誰だぁキサマ~!」


凄みを効かせて振り返ったシチローだったが……





「あれ……?
貴方は一体……」



そこに居たのは……







「見ての通り、私は『国民の生活と安全を守る警察官』だが!」


シチローの後ろに立っていたのは、その時たまたまそこを通りかかった本物の警察官であった。



「いや…あのですね……これには深~い訳がございまして……」


「わかったわかった♪君のその深~い訳は、交番の方でゆっくり聞こうじゃないか♪」


この手の輩の扱いは手慣れたものだ。
警官は笑顔でシチローの腕に手錠を掛けた。


「えぇぇぇぇっ!
ちょっとぉ~!
ティダ~!コブちゃ~ん!ひろき~!」





「他人のフリ……」


『白馬に乗った王子様作戦』は失敗に終わった……