待つ事一時間……
ようやく図書館の外に詩織が姿を見せた。


都合の良い事に、辺りに人影は無いようだ……


てぃーだ、子豚、ひろき、耕太の4人は見つからないように塀の影に隠れて様子を見守り、シチローはゆっくりと詩織の方へ向かって歩いて行った。



「ヘッヘッへ~♪
オイラは変質者だぁ~♪」


「シチロー…なんて下手な演技なの…台詞棒読み……」


舞台役者が本業であるてぃーだが、思わずダメ出しをする。


「まあ…変な男には変わりないわね♪」


子豚の方は妙に納得していた。



それでも、シチローの只ならぬ雰囲気は詩織には伝わったようだ。


「あの…何か……」


「おぅ~ねえちゃん~オイラとちょっと付き合っちゃあくんねえか~?」


「いえ…あの…もうすぐバスが来るので……」


「いいじゃねぇかよ~♪オイラが家まで送ってやっからよ~♪」


シチローは、詩織のすぐそばまで近寄りその腕を掴んでグイと引き寄せた!


「誰か!」


詩織が震える声にならない叫び声を上げた!



その時!