何て言っていいのか分からなくて、

あたしは黙ってしまった。

すると沙希は、

「いいんじゃない??別に」

って言って。

「え??」

「あの子、最初から友達になりたいなんて

本気で思ってないだろーし。

広海を狙ってきてたんでしょ??

そんなのと、友達になるなんてありえないから!

それにあの子、良い噂聞かないし。

本田 望だっけ」

本田 望…??

聞いたことあるような…。

「沙希、どうかした??」

何か、いつもの沙希じゃない。

広海はきょとん、としちゃってるし。

「う、ううん!!何でもない!!」

「沙希??」

キーンコーンカーンコーン……

チャイムが鳴る。

「クラス、行かなきゃじゃん??」

そう言った沙希の、「助かった」と言わんばかりの表情。

「そ、だね…」

「じゃあ美沙ちゃん、戻るか」

「うん…」

あたしと広海は沙希にバイバイする。

「じゃあ沙希、また後でねっ」

「うん!!!」