あー…この人完全に、
広海の彼氏ポジ狙いなんだなあ、って、
見れば分かる。
可愛いし、女の子らしいし、
ちょっと自分に自信ありげな感じだけど、
広海にはお似合いって感じ。
「あのさあ」
……ん??
さっきの声のトーンより、
明らかに低くなった広海の声。
嫌がってるような表情。
何でそんな露骨に表情に出すの??
女の子、可愛そうじゃん。
「俺、本気で仲良くなりたい、って思った人とじゃないと、友達になりたいって思わないんだよね」
「……」
女の子は無表情で少し俯いてて。
でも、目はちょっと悔しそうで。
「だから、ごめん。あんたとは友達になろうと思わない」
何それ…。
広海の見た目は、チャラそうで、
ナンパなんて日常茶飯事で、ナルシストで、
女の子なんか誰でも絶対受け付けるような感じなのに。
「……っ」
女の子は、何も言わず走って行った。
「…広海??」
あたしは広海に声をかける。
「ん??」
広海は普通で。
「てかさ、今の俺の発言ちょっと言い過ぎたかな」
ちょっとだけ申し訳なさそうにそう言った。