慣れ慣れしくあたしの肩を抱くその人に、
あたしは何となく嫌悪感を抱いた。
それはきっと沙希も同じで。
てか、名前何ていうんだろ??
「あの」
「ん??美沙ちゃんどーかした??」
「名前、何て言うの??」
「俺??俺は、相沢 広海ー」
そう言って、にこっと笑った。
「広海、ってゆーんだ」
「うん。広い海って書いて広海。広海って呼んで」
呼び捨てかあ…
「うん。わかった」
「もちろん、沙希ちゃんもね♪」
一瞬、沙希が嫌そうな顔をしたのを、あたしは見逃さない。
「うん♪いいよ~」
3人で話していると、周りにいた女の子の1人がこっちを指差して、
「ねぇ、あれが相沢広海くんかなあ!?」
と、女子グループの中で話しているのが聞こえた。
…有名、なのかなあ?
するとさっきの女の子が、こっちに向かって歩いてきた。
「あの、相沢広海さんですか??」
「そーだけど、何??」
きょとん、とした顔で女の子を見つめる広海。
その女の子はちょっと頬を赤らめて俯きながら、
「お友達になってください!!!」
と言った。