俺は、木村 蓮。

普通の高校生。

普通??

普通…だろ…。



朝。

適当に閉めたカーテンから差し込む光で目が覚める。

「…ん」

目を開くと、横には見覚えもない女。

「あ、起きたあ~??」

金髪に濃い化粧。

いわゆるギャルが、横で寝ているわけで。

甘ったるい声を出し、びったりとくっついてくる。

…気持ち悪ぃ。

「ねぇ、蓮く~ん??」

「何??」

「どっか連れて行ってよ♪」

ギャルは、上目づかいで俺を見つめる。

正直、可愛いとも何とも思わない。

「嫌。俺学校あるから」

ベッドから起き、制服のシャツを着る。

「あたしも行こっかなあ♪蓮くんの学校」

「来るな。ブス」

「もぉ~蓮君ひどぉい。唯ブスじゃないもぉん」

名前、唯…か。

そいつは、頬を膨らましながらちょっと拗ねたような表情を浮かべる。